4カ月の難産の末、SPDと復縁。リベラル女帝はレームダック化、EU盟主も仏と交代か。
2018年3月号 GLOBAL
政局混迷のドイツでようやく新政権誕生の目途がついた。アンゲラ・メルケル首相が率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と社会民主党(SPD)は、2月7日に大連立政権樹立へ向けて合意したのだ。SPDの党員投票で承認されれば、3月には新政権が成立する。だが市民や経済界の反応は冷ややかだ。2017年9月の連邦議会選挙後に4カ月間も政権の不在が続いたのは、第二次世界大戦後初めて。この混乱は「欧州の女帝」メルケル首相のレームダック化を象徴する。ドイツ人たちは、この政権を「敗者の大連立政権」と呼ぶ。連邦議会選で歴史的大敗を喫した二大政党が、指導部を刷新しないまま再び連立するという奇妙な結果になったからだ。変則的な政権誕生の原因は、連邦議会選で生じた地殻変動だ。CDU・CSUの得票率は、前回に比べ8.6ポイント減って33.0%。過去68年間で最低の得票率だ。メルケルと連立していた ………
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