王岐山「異例の復活」はまやかし

国家副主席に就任しても影響力は限定的。反腐敗一本槍の習近平のジレンマが滲む。

2018年3月号 GLOBAL

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1月29日、湖南省共産党委員会の機関紙「湖南日報」が、3月に開催される全国人民代表大会(全人代=国会に相当)の湖南省代表団118人の名簿を公表した。それを見たチャイナ・ウォッチャーの視線は、リストの2列目に記された一人の名前に釘付けになった。そこには、昨秋の共産党大会(19大)で最高指導部を引退した王岐山の名があったのだ。王は2012年秋の18大で党の最高意思決定機関である中央政治局常務委員会のメンバーとなり、汚職捜査機関の中央紀律検査委員会のトップに就任。最高指導者の習近平国家主席(党総書記を兼務)が発動した反腐敗キャンペーンで豪腕を振るった。習の全権掌握への過程で比類なき貢献をした功臣である。だが19大の時点で王は既に69歳。党指導者には「七上八下」(67歳なら昇進できるが、68歳なら退任)と呼ばれる定年の不文律がある。一時期は習がそれを曲げて右腕の王を続 ………

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