通常貯金の限度額撤廃のビーンボールに、堪忍袋の緒が切れた。再燃した人事抗争に政局絡む。
2018年4月号 BUSINESS
あまりにもバッド・タイミング――仕掛けた側も仕掛けられた側も歯噛みしたはずだ。3月11日付日曜の読売新聞朝刊で報じられた「ゆうちょ銀行の通常貯金の預入限度額撤廃案」の記事である。財務省が週明け12日には森友文書の改竄を報告するとみられ、政局激震が予想されていたのに、政府の郵政民営化委員会(岩田一政委員長)が月内にも示す見解を踏まえ「年内に政令を改正する」と断定してしまっている。この唐突な記事の打ち返しが翌12日に日経電子版で流れた。「撤廃に慎重論強まる」と逆方向の記事で、「限度額の『引き上げ』にとどめる案も浮上」し、「民営化委が今月下旬を見込む提言のとりまとめは難航する可能性がある」というのだ。この手の相反する記事の裏には、それぞれリークした側の思惑が絡み、事の本質はそこに透けてくる。読売報道を仕掛けたのは、JPグループの持ち株会社、日本郵政の鈴 ………
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