ヒト動物「キメラ」研究解禁に慄然

動物の受精卵にヒトiPS細胞を入れ臓器を作る。ヒト細胞は臓器以外に広がる恐れ。

2018年4月号 LIFE

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見た目は爬虫類のようだが純粋な心を持つ「彼」と、女性との恋を描いた映画『シェイプ・オブ・ウォーター』。米ソ冷戦時代が背景のファンタジーが、米アカデミー賞を受賞した。キメラ動物を連想させる半魚人のような彼は、実験の犠牲となる運命にある。キメラとは生物学で、異なる2組以上の遺伝子情報を持つ胚や個体のこと。語源はギリシャ神話に出てくる想像上の怪物で、「頭はライオン、胴体はヤギ、しっぽは毒ヘビ」という異形の動物だ。このキメラ研究を応用して、動物の体内でヒト用の臓器を作るための実験が米・英国などで行われている。特定の臓器を欠損させた動物の受精卵(胚)にヒトのiPS細胞などを入れ、育ててヒトの臓器を作成するというものだ。日本ではクローン法に基づく特定胚指針で、動物性集合胚の研究は、背骨や脊椎になる部分が現れる前の受精後14日以内に限り認められている。しか ………

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