アブダビ「日の丸油田」死守に中印と争奪戦

2018年4月号 GLOBAL

  • はてなブックマークに追加

日本は海外で最大の自主開発油田の権益を死守した。第二の原油輸入国であるアラブ首長国連邦(UAE)アブダビ沖にある「下部ザクム」鉱区で、2月26日、国際石油開発帝石(INPEX)とアブダビ国営石油(ADNOC)が合意。持ち分は従来の12%から10%に減ったが、期限は40年間延長された。海底が浅く経済性に優れた日の丸油田だけに、安倍首相自らアブダビ皇太子に電話、世耕経済産業相が何度も訪問して政府ぐるみの援護射撃。資源エネルギー庁長官、経産審議官を歴任した上田隆之INPEX副社長も、プライドをかなぐり捨てて平身低頭。持ち分では上限いっぱいを獲得できたから「これで社長の座も」と思っただろう。それでも舞台裏は熾烈だった。人口が10億人超の中国とインドという強力なライバルがいて、将来のエネルギー確保に必死だったからだ。決め手は、アブダビの権力構造が、病に臥すハリーファ首長から ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。