2018年5月号 BUSINESS
神戸製鋼所の品質データ改竄問題は、川崎博也会長兼社長が引責辞任に追い込まれて、幕を閉じた。客に約束した品質にまつわるデータを勝手に書き換え、出荷するという不正を長年にわたって続けていたのだから、当然と言えば当然だが、広報戦略のまずさも際立った。同時期に同じような不正が発覚した三菱マテリアルや東レ、宇部興産などでは、本体の「社長のクビ」は飛んでいないだけに神戸製鋼のお粗末さが目立つ。神戸製鋼の品質データ改竄は昨年10月8日に発覚した。その最初の記者会見がまずとんでもなかった。その日は翌9日の「体育の日」を前にした日曜日。秋の連休の中日である。なぜ会見を開かなければいけなかったのか。担当記者の中には連休中の急な開催だったため、間に合わなかった者もいたという。実はある全国紙が連休前に品質改竄のネタを仕入れ、神戸製鋼に取材攻勢をかけたという。一方、 ………
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