2018年6月号 BUSINESS
大手出版社、文藝春秋で4月半ば、社長人事をめぐる内紛劇が勃発、1カ月経っても出口が見えない混迷に陥っている。日本の雑誌ジャーナリズムの雄だけに、その矛先が鈍るようなことがあれば、相次ぐスキャンダルに喘ぐ安倍官邸がほくそ笑むことにもなりかねない。発端は就任4年目の松井清人(きよんど)社長(67)が、次期社長に経理出身の中部嘉人常務を起用し、子飼いの石井潤一郎取締役を副社長にして、自らは会長に就任、院政を敷こうとしたこと。これに次期社長と一時目されていた木俣正剛常務のほか、西川清史副社長、営業局統括の濱宏行取締役ら役員3人が「編集経験のない中部社長では経営危機を乗り切れない」と異議を唱え、人事撤回と松井の退陣を迫った。木俣は権力奪取のためにクーデターを起こしたわけではなく、「自分も辞める」と松井と刺し違える覚悟らしい。木俣ら3人は、松井との直談判 ………
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