大蔵・財務官僚の「セクハラ」今昔物語

時代に置いてけぼりの「男社会」。誰も予想しないような次官人事を断行して悪いイメージを一蹴する必要がある。

2018年6月号 DEEP [時代に置いてけぼり]

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官僚中の官僚である財務官僚の威信も実力も地に墜ちてしまったのか。忘れられない光景がある。大蔵大臣だった大平正芳が公用車の中で秘書官にこう話しかけたことがある。「君はどうしてそう頭がいいのか」。秘書官は答えた。「恐れいります。私はただなすべきことをしているのにすぎません。頭がいいなどとは滅相もございません」。この秘書官はのちに大蔵事務次官になった小粥正巳である。小粥はそののち1カ月だけだったが福田赳夫首相の秘書官を務め、中曽根康弘首相の秘書官をも務めている。大平、福田、中曽根という3人の実力政治家に信頼され、誰に近いというようなことを言われることもなかった。決して威張らず控えめで、いつも微笑みを絶やさない人だった。

福田、迫田、佐川は「呪われた57年組」

多くの大蔵・財務官僚は政治家にも新聞記者たちにも尊敬され、人柄も実に誠実で、教養の深さを感じさせてきた。もちろん、豪放磊落、 ………

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