ユーロ離脱「イタリグジット」を予想する声はまだ少数派だが、欧州連合存続の危機か。
2018年7月号 BUSINESS
「欧州では、間違った方向に動きかねないと恐れていたことはすべて間違った方向に動いた。EU(欧州連合)には存続の危機が迫っている」――。ポピュリズム(大衆迎合主義)によるイタリアの政局混乱で金融不安が高まった5月末、このように指摘したのは著名投資家のジョージ・ソロス氏だった。欧州発株安は米国、日本、アジアなどに連鎖し、外国為替市場ではイタリアのユーロ離脱が連想されてユーロ売りが加速した。イタリア中央銀行のイグナシオ・ビスコ総裁も「イタリアが信用を失う一歩手前にある」と警告したほどだ。紆余曲折の末、ポピュリズム政党の「五つ星運動」と極右勢力の「同盟」が呉越同舟で推薦した大学教授のジュセッペ・コンテ氏を首相とする新政権が6月初めに発足した。約3カ月ぶりの政治空白の解消と再選挙の回避が好感されて、一時は3.4%台と約4年ぶりの水準に跳ね上がったイタリアの1 ………
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