電池の性能は3倍、工場の生産能力は6倍。日本の車用電池メーカーは近い将来、半導体や液晶パネルと同様「壊滅」する。
2018年8月号 BUSINESS [日本は「ものづくり大国」ではない]
日本の自動車メーカーで電気自動車(EV)開発を担当するエンジニアが頻繫に訪れている企業が中国・福建省の寧徳という地方都市にある。企業名は「寧徳時代新能源科技(CATL)」。2011年に設立された新興企業ながら、17年にはEVなどの動力源となる車載リチウムイオン電池の出荷量でパナソニックを追い抜き、一気に世界1位に躍り出た。日本の自動車メーカーのある技術者は「CATLはすでにコスト、品質の両面でパナソニックを完全に凌駕している。このままではパナの車載電池事業はいずれ、プラズマや液晶と同じように大リストラを迫られるだろう」と指摘する。まず、CATLとは一体どんな企業なのか、来歴や実力を紹介しよう。CATLは、香港に本社を構え、米アップル向けに電池を供給していたATLから11年に自動車部門が独立して発足した。ATLのほうは05年、日本の電子部品大手TDKに買収されている。TDKは全固 ………
オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。
FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。