株主総会で「買収騒動」について「CEOから説明はないのか」とブーイング。「ワンマン解任」の歴史を繰り返すか。
2018年8月号 BUSINESS [「安倍トモ」の落日]
「リーダーには状況を速やかに、かつ正確に見抜く『眼』が欠かせない。『課題は何か』『ライバルはどう動くか』。自社を取り巻く環境とその推移を冷徹に見極め、目指すべき方向と方策を決める」富士フイルムホールディングス(HD)会長兼最高経営責任者(CEO)の古森重隆(78)が経済誌「日経ビジネス」に輪番で連載しているコラム、その名も「賢人の警鐘」。今年3月26日号で、古森は1月31日に自ら記者会見を開き発表した米ゼロックス買収が「経営トップとして極めて大きな決断だった」と自画自賛しながら、冒頭のようなリーダー論を展開した。その後の買収劇の泥沼化を思うと、「恥の上塗り」とはこのことか、と失笑を禁じ得ない。
当初、日本のマスコミはこのM&A(合併・買収)を手放しで称賛した。手法は複雑で、まず日米合弁の富士ゼロックスが金融機関から約6700億円を借り入れ、富士フイルムが ………
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