「インフラ輸出」の生みの親。中国に対抗する「安倍ファンド」のマネージャーとして、世界を股にかける異能の政商。
2018年8月号 BUSINESS [希代の「人たらし」]
普通、銀行の生え抜きと聞けば「手堅い」のが相場だが、彼は全く逆である。国際協力銀行(JBIC)の初代生え抜き総裁に就いた前田匡史(ただし/60)のことである。ついに俺はここまで昇りつめたか。前田匡史はいま、八王子市の高台にある住まいで、鼻の穴をふくらませて万能感に包まれている。6月、JBICの代表取締役総裁に就任したのである。政府系金融機関のトップといえば、たいていは財務省か経済産業省の天下り指定席だった。1982年に前身の日本輸出入銀行に入行した生え抜き組の前田の起用は異例だろう。だが、慶賀すべきプロパーの抜擢に眉をしかめる向きは少なくない。「あいつはしょせんロビイスト。プロジェクトファイナンスなんかわかっちゃいない」(日本政策投資銀行の元幹部)、「彼がしゃしゃり出るから三菱重工業も日立製作所も困っている。ホントはみんな原発輸出なんかやりたくないん ………
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