統合を渋る創業家を最後は翻意させた村上氏。経営陣は恩人である彼に逆らえない。
2018年8月号 BUSINESS
7月9日、出光興産と昭和シェル石油は2019年4月に経営統合すると発表した。出席した出光会長の月岡隆は創業家の同意を得たことで統合が前進したことを強調、創業家側も「(統合しても)創業者の理念を維持できると確認した」との声明を出した。昭シェルとの統合を巡る、出光経営陣と創業家の3年に及ぶ対立はこれで解消した。一昨年の総会では創業家側代理人の浜田卓二郎が統合計画を批判し、取締役の人事案に反対。当時社長だった月岡の再任議案の賛成率は52・3%と前年の91・6%から大幅に低下した。その後、浜田は解任された。会社との対立を解消しようと動き、創業家の逆鱗に触れたためだ。それほどまでに創業家は頑なだったわけで、後任の代理人に就いた弁護士の鶴間洋平は昨年の総会で、「こちらの疑問に対して、会社側は納得できる回答をしていない」などと語り、統合反対の姿勢を改めて示した。
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