エンジニア崩れの管理職がやたら増え、無用な提言を量産し、若手のやる気をそいでいる。
2018年9月号 BUSINESS
「俺が納得する新しい案を7月31日までに持ってこい」。6月のある日、温厚なホンダ社長八郷隆弘が珍しく声を荒らげて、部下に厳命した。八郷が求めた案とは、コストを下げて商品力も落とさない自動車の新たな開発手法の導入計画のことだ。自動車会社では、開発の上流段階から設計・部品の共通化を進めるコストダウン戦略がはやっている。独フォルクスワーゲンの「モジュールアーキテクチャー」、マツダの「一括企画」、トヨタ自動車の「TNGA」が有名だ。こうした新たな手法の導入により、各社は開発部門の組織や仕事の進め方を見直し、車種によっては製造原価を30%ほど下げたと言われる。しかし、ホンダは何も取り組んでこなかった。数字が如実にそれを表している。2018年3月期決算の売上高営業利益率は、トヨタ8・2%、日産4・8%、スズキ10%、マツダ4・2%、三菱4・5%、スバル11%なのに対して、ホ ………
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