2018年9月号 DEEP [ディープ・インサイド]
日本橋の首都高地下移設が決まった。予定総工費は3200億円と「10年から20年単位のビッグプロジェクト」(小池百合子都知事)だ。これに笑いが止まらないのが「日本橋の大家」と評される三井不動産。「日本橋に青空を取り戻すのは地元の悲願」(毎日新聞より)と意義を強調するが、経済的うま味も大いにある。首都高地下化は20年にわたり三井不動産のトップを務める岩沙弘道会長の持論だった。以前から中央区と連携し「日本橋再生推進協議会」に参加、地元との調整をすすめてきた。今年6月まで民営化した東日本高速道路会社の会長に就いており、道路行政への影響力も地下化決定を後押しした要因とみられる。三井不動産は日本橋周辺に多数の不動産を所有しており、景観が良くなれば所有する不動産の価値向上が見込まれる。さらに、地下化工事には資材や建設機械を置く用地が必要になる。業界関係者は「高 ………
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