制裁関税をエスカレートさせるトランプ。譲歩しても徹底抗戦でも中国の政治は不安定となる。
2018年10月号 GLOBAL
米中貿易戦争の行方が混迷の度合いを深めている。8月22日と23日に中国商務次官の王受文がワシントンを訪れ、米財務次官のデビッド・マルパスと約3カ月ぶりの政府間協議を行ったが、話し合いは平行線のまま終わった。業を煮やした米ドナルド・トランプ政権は、中国からの輸入品2千億ドル(約22兆円)相当に25%の制裁関税を課す追加措置を9月中にも発動する公算が大になった。発動済みの500億ドル相当と合わせれば、制裁対象は対中輸入総額(2017年は約5050億ドル)の半分に及ぶ。二国間の貿易戦争としては史上空前のスケールだ。しかも交渉再開のメドは立っていない。次官級協議終了後の8月29日、トランプはツイッターで、中国国家主席(兼共産党総書記)の習近平とのトップ交渉により貿易戦争を解決する意向を表明した。
ところが2日後の31日、ホワイトハウスは11月17~18日にパプアニューギニアで開 ………
オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。
FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。