「第二のスルガ」西武信金と森信親

前金融庁長官が絶賛した「信金界の麒麟児」。一皮むけば野放図な不動産融資のモンスター。

2018年10月号 LIFE

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ここに1枚の為替手形の写しがある。先月から金融業者の間で物議を醸している手形だ。金額は11億円。都内のある会社代表が、この端数がないラウンド数字の高額手形を金融業者に持ち込み、資金を引き出そうとしていたという。振出日は2018年7月31日。支払期日は19年1月31日。収入印紙の割り印もあり、一見何の変哲もない為替手形だが、厄介な臆測を呼んでいる理由は、受取人欄が空欄であることに加え、振出人欄と引受人(支払人)欄に記された企業名にある。振出人の記載は、「エヌ・エス・ティー」(東京都板橋区、代表取締役山本英一)。安藤季賢という人物が15年2月まで代表を務めていた会社だ。安藤は同住所に本拠を置く「NU校友会」の代表取締役、山本は取締役を務める。ちなみにNU校友会の旧社名もエヌ・エス・ティー。紛らわしい限りだが、要するに両社は安藤や山本が経営する会社である。

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