本庶先生が小野薬品に「カネを出せ」

二人三脚でノーベル賞ともてはやされる両者に深い溝。1千億円研究基金構想の負担は重い。「アカハラだ」と小野薬品の嘆き節。

2018年11月号 DEEP

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10月1日、今年のノーベル医学生理学賞が京都大学特別教授の本庶佑に与えられることが決まった。本庶の研究が、効果抜群のがん治療薬「オプジーボ」につながったこともあり、メディアは本庶と小野薬品工業の二人三脚を絶賛する記事を垂れ流した。「小野薬、粘りの自社開発~オプジーボを本庶氏と共同研究」(日本経済新聞)、「ノーベル賞で脚光、『小野薬品』の期待と現実」(東洋経済)、といった具合だ。株式市場も反応した。2日午前の東京株式市場で小野薬品の株価は一時、前日比7%高の3430円まで買われ、2016年8月以来、2年2カ月ぶりの高値をつけた。しかし、こうした礼賛記事や株価にもっとも不愉快な思いをしたのは本庶ではないか。小野薬品との間には深くて長い溝があるのだから。

「小野薬は貢献していない」

「ネイチャーとサイエンスは9割が嘘」「メディアの人と違って私はやることが多い」ノーベル賞受賞決定を受けて ………

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