井川賭博以来、製紙業界4、5位が泥沼の争い。前例なき賠償訴訟に完敗でも挫けず。
2018年12月号 BUSINESS
「原告の請求をいずれも棄却する」。9月20日、東京地裁で前例のない損害賠償請求訴訟の判決が下った。2015年に大王製紙が総額300億円の転換社債型新株予約権付社債(CB)を発行した。これが株主総会での議決が必要な有利発行にあたるにもかかわらず、取締役が受託者責任を放棄し、その結果、株価が下がり損失を被ったとして、筆頭株主の北越紀州製紙(現北越コーポレーション)が訴えを起こした。被告は大王の佐光正義社長以下、取締役13人であり、損害賠償請求額は88億円余り(利害関係者として被告を補助する目的で大王製紙も参加した)。その判決がエポックメーキングなことは、旬刊商事法務が10月号ですぐさま判決全文を掲載したことでもうかがえる。しかし判決は北越側の完敗だった。CB発行が株価下落を招き、損失を被ったとして訴訟を起こした例はこれまでないという。大王がCB発行を公表した15年 ………
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