ESGの「要注意先」が進める電力事業に住民が待った。なお続くデータ改竄の余波。
2018年12月号 BUSINESS
昨年来、日本の製造業の信頼を失墜させた一連のデータ改竄騒動の“火付け役”となった神戸製鋼所。10月末に発表した第2四半期(4~9月期)連結業績は、経常利益が8割減となるなど沈滞ムードを払拭できないが、加えてまた頭の痛い問題が浮上している。新たな収益の柱との期待がかかる神戸市内の石炭火力発電所新設計画に対し、周辺住民らが9月に建設差し止めを求め提訴した。国内で2件目の「気候変動訴訟」としてにわかに注目を集めている。「ちゃんと市民の声を聞け」「なぜ誠実に対応しないのか」――。10月1日、神鋼が提訴の対象となった発電所の新設工事に着工すると、原告の住民や弁護団は憤りの声を上げた。
神鋼が電気事業法に基づく工事計画書を経済産業省に届け出たのは8月30日。経産相が同計画に対し変更命令などを出さない限り、受理日から30日間を経過した段階で着工が可能になる。要するに、 ………
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