ゴーンにしてやられたKKR

カルソニックカンセイを高値づかみ。エグジットできず、苦肉の策の同業買収は時代遅れ。

2019年1月号 GLOBAL

  • はてなブックマークに追加

日産自動車最大の系列部品メーカーだったカルソニックカンセイが2018年10月、イタリアのフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)の自動車部品部門マニエッティ・マレリを62億ユーロ(約8060億円)で買収すると発表した。両社の事業統合で、合計売上高は152億ユーロ(約1兆9750億円)となる。カルソニックカンセイCEO(最高経営責任者)のベダ・ボルゼニウスは「世界10位に入る競争力のある自動車部品サプライヤー企業を形成することに非常に期待している」と語った。自動車業界には「CASE」と呼ばれる「コネクテッド」「自動運転」「シェアリング」「電動化」という四つの波が到来、100年に一度の変革期を迎えている。この大波を乗り越えるには巨額投資が必要だ。カルソニックカンセイは再編で規模を拡大し、変革に耐える体力を養う狙いだという。

CASE時代の技術がない

一見すると王道の戦略なのだが、「自動車 ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。