エリオットを利した「投げ売り」株価算定
2019年1月号 BUSINESS [FACTA銘柄 Sin-Bin Box ]
11月、カーオーディオで知られるアルパインのIR(投資家向け広報)チームが、米運用会社幹部と電話会談した。アルプス電気からの買収提案受け入れを問う臨時株主総会が12月5日に迫っていた時期である。この運用会社はアルパイン株を1%以上保有していた。買い手のアルプス電気が40%を保有するとはいえ、買収提案が通るためには出席株主の3分の2の賛成投票とハードルが高い。アルパイン側は米運用会社の賛同を得るために「身売り」の根拠を必死に訴えた。「うん、うん」と電話先の向こうでうなずいていた運用会社の幹部が、しばらくすると態度を硬化させた。「何ですか、この買収価格は? 理解できません」。挨拶もおざなりにガチャリと受話器を置いたという。臨時株主総会では結局、買収案が約73%の票を獲得した。アルプス電の持ち株を除いた少数株主の45%が反対に回った格好だ。冒頭の米運用会社も ………
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