彼のスワップ取引は日産に実損どころか評価損の認識すらさせていない。サウジ知人への「謝礼」も額が大き過ぎ不合理。
2019年3月号 BUSINESS [ゴーン・ショック]
カルロス・ゴーン元会長は、2006年以来、個人金融資産の管理運営を新生銀行に委託していたところ、08年10月、リーマン・ショックに伴う急激な円高により、自身の資産管理会社が新生銀行と締結していた通貨スワップ契約に巨額の損失を抱えることになった。この含み損に対して、新生銀行が担保不足による追加担保の提供を要請したところ、ゴーン元会長はこれを拒否し、契約自体を日産に付け替えるよう指示した。新生銀行側は、日産への契約移転には取締役会の決議が必要と指摘し、これを受けて、ゴーン元会長の意を受けた当時の秘書室長は、損失付け替えの具体的な内容については明らかにせず、「外国人の役員報酬を外貨に換える投資」について秘書室長に権限を与えるという形をとって取締役会の承認決議を得た。この取締役会の決議を受けて、新生銀行は契約移転に応じることとし、08年10月、約18億5千万 ………
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