英国生産撤退の陰で「フィット」躍進の立役者である技術トップが退任。追い出す社長と副社長にも微妙な空気が流れる。
2019年4月号 BUSINESS
「ホンダの八郷隆弘社長は思い切った判断をした」。ホンダが2月19日に事業運営体制の変更を発表、メディアの目は正式に表明した英国生産の撤退に集中した。しかし、むしろ注目すべきはホンダが同時に発表した4月以降の役員体制だろう。2000年代のホンダ躍進の功労者である本田技術研究所の松本宜之社長が退任し、6月の株主総会後にはホンダ専務からも退く。
松本氏はエンジニアで、記録的なヒットとなった初代「フィット」の開発責任者。燃料タンクを車体の中央に置く「センタータンクレイアウト」を発明し、小型車の常識を打ち破る車内の広い居住空間を生み出した。フィットは02年の国内登録車市場で、33年間連続首位を誇ったトヨタ自動車の「カローラ」から首位を奪取。松本氏はヒット車不足だったホンダの救世主だ。伊東孝紳前社長時代には次期社長候補として将来を嘱望されたが、13年に突然、イン ………
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