2019年4月号 BUSINESS
ニコンがもがいている。国内で1千人以上の人員削減を行い、赤字垂れ流しだった半導体露光機事業を黒字化したものの、その先の「稼ぎ口」が見えない。露光機の黒字化の真相は、技術の源泉となる先端分野への開発投資を止め、ライバルに白旗を揚げたに等しい。4月に新社長に就く馬立稔和氏は、100年続く名門企業のプライドをかなぐり捨て、新たな収益源を創出しなければならない。ニコンといえばカメラのイメージが強いが、実は光学・精密加工のコア技術は、半導体露光機が担っている。半導体は微細な電気回路の塊だが、その回路形成に使うのが露光機である。特殊なレンズを通したレーザー光を原盤(フォトマスク)に照射し、シリコンウエハーに配線パターンを転写する機能を持ち、基本的メカニズムはカメラそっくりだ。違いは、半導体露光機のサイズは2tトラックほどもあり、先端製品は1台50億円以上する ………
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