とっても「いい人」松下三代目の引き際

取締役を退いてもパナソニックから財政面の協力を引き出してくれると、関西財界は算盤を弾くあざとさ。

2019年4月号 BUSINESS

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パナソニックの松下正幸副会長(73)が6月27日付で取締役副会長を退き、特別顧問に就く。1918年の創業以来、創業家出身者が取締役会からいなくなるのは初めて。正幸氏は「経営の神様」と呼ばれた創業者、松下幸之助氏の孫で、96年に副社長に就任した際は社長昇格も取り沙汰された。だが3代目社長だった山下俊彦相談役(当時)が世襲を批判したため実現しなかった。

父・正治は「権力の亡者」

正幸氏は「創業100周年を見届けたので退任したい」と申し出たという。地位に固執しない潔い態度には拍手を送りたい。山下氏の世襲批判が飛び出した直後、正幸氏は「松下幸之助の孫であることは事実で、どうしようもない。社長は最後の決断をしなければならないなど、きつい仕事で個人的にはやりたくない」(97年7月25日付毎日新聞朝刊)と述べた。正幸氏の父であり、幸之助氏の娘婿で2代目社長の松下正治氏の言動とは大違いだ。東京オリ ………

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