期限延長で束の間の平穏を得たが、習とトランプとの首脳会談は楽観できない。
2019年4月号 GLOBAL
3月5日、北京の人民大会堂で開幕した全国人民代表大会(全人代=国会に相当)は奇妙な平穏に包まれていた。初日の政府活動報告で壇上に立った首相の李克強は、今年の国内総生産(GDP)成長率の目標値を過去30年で最も低い6.0~6.5%に設定すると発表。昨秋以降の急速な景況悪化に対処するため、付加価値税の減税や社会保険料の引き下げによる総額2兆元(約33兆円)規模の企業負担軽減、鉄道・道路などインフラ建設への公共投資増額といったテコ入れ策を打ち出した。とはいえ、いずれも想定の範囲内でサプライズはない。閉幕予定の3月20日までさしたる波乱はなさそうだ。この状況に誰より安堵していたはずなのが、中国の最高指導者(国家主席兼共産党総書記)の習近平である。というのも、今回の全人代では政治的紛糾が避けられないとの観測が、開幕のわずか数日前まで流れていたからだ。それが回避でき ………
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