認知症薬開発の限界が露呈、株価は大暴落。見切った社員が早期退職の募集に殺到している。
2019年5月号 BUSINESS
エーザイが米バイオジェンと共同で製品化を目指していたアルツハイマー型認知症の新薬候補「アデュカヌマブ」の開発を断念した。3月21日の発表を受け、直前に9000円台だった株価は暴落。4月に入っても6000円台の状態が続く。もっとも業界関係者の間では「やっぱりね」との声が広がっている。
アルツハイマー型認知症を発症すると神経細胞が変異して脳が萎縮、記憶障害などが起きることまではわかっている。原因の一つは脳内に「アミロイドベータ」(Aβ)が蓄積することといわれる。これを取り除けば、治療効果があるという仮説に基づく薬がアデュカヌマブだ。あくまでも仮説であることに注意してもらいたい。それ以外にも「タウ」と呼ぶタンパク質が原因だとする説などもあり、発症のメカニズムは実は明確になっていない。エーザイが1997年に発売した世界初のアルツハイマー型認知症薬「アリセプト」 ………
オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。
FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。