「金融庁の検査結果に問題などあるはずがない」と大見得を切っていた落合理事長の足元にも火がついてしまった。
2019年6月号 BUSINESS
預金量2兆円を誇る西武信金(本店・東京都中野区)が大揺れに揺れている。信金トップらしからぬ徹底した成果主義で好業績を牽引してきた落合寛司理事長(68)の引責辞任はもはや避けられない情勢だ。4月18日、西武信金は2年間にわたり顧客の預金2450万円を着服していた30代の男性職員を懲戒解雇したとホームページで発表した。客の問い合わせを受け、警察にも通報したというが、実際は昨年11月に問題を把握していた。にもかかわらず半年も発表が遅れたのはなぜか。西武信金は本誌の取材に「ほかに被害に遭われたお客さまがいないか慎重な調査を行っていた」(経営企画部)と弁明するが、事情を知る関係者は「被害者は2人合わせて200歳を超える超高齢夫婦。身寄りもなく認知症を患っていたため、西武信金の経営陣は当初公表せず、片付ける方針を決めていた。しかし、老夫婦が成年後見制度の対象者だった ………
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