面子を棚上げして大阪G20に来日する習近平に、日本は極めて厳しい選択を迫られる。
2019年6月号 GLOBAL
「中国との貿易交渉は進捗が遅すぎる。彼らは条件を見直したがっているが、ノーだ!」5月5日、米大統領のドナルド・トランプは突如そうツイートし、1月から延期していた中国製品に対する制裁関税の上乗せを5月10日に発動すると宣言した。最終合意は近いとみていた米中貿易交渉への楽観論が、粉々に吹き飛んだ瞬間だった。その後、5月9日から10日にかけてワシントンで行われた閣僚級協議でも双方の溝は埋まらず、そのまま関税上乗せは実行に移された。米中対立はさらなる混迷と長期化が避けられない情勢だ。
米中とは対照的に、長らく冷え込んでいた外交関係が「小春日和」に変わりつつあるのが日本と中国だ。6月下旬には、中国の最高指導者の習近平(国家主席兼共産党総書記)が大阪で開催されるG20(20カ国・地域)首脳会議に出席する。習の訪日は国家副主席時代の2009年以来10年ぶりで、12年秋に最 ………
オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。
FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。