当のミュージシャンが声をあげないのは寂しい限りだが、事勿れ主義で作品を葬るのはよくない。
2019年6月号 LIFE
3月12日、テクノバンド「電気グルーヴ」のメンバーで俳優でもあるピエール瀧が麻薬取締法違反の疑いで逮捕された。最近では、個性派俳優としてメジャーな映画作品、CM、NHKの大河ドラマ「いだてん」にも出演していただけに、ニュースやワイドショーがこぞって取り上げ、放送休止など対応に苦慮する業界の様子や損害賠償額などをセンセーショナルに報じた。逮捕を受け、電気グルーヴが所属するソニー・ミュージックレーベルズ(以下、ソニー・ミュージック)は翌13日に、音源・映像の出荷停止、在庫回収、配信停止を発表した。この措置に異論が吹き出した。「作品と罪は別」であり「明確な理由も説明されないまま前例踏襲主義での『自粛』はいかがなものか」というのだ。3月15日には、社会学者の永田夏来氏や音楽研究家のかがりはるき氏が発起人となって「電気グルーヴの音源・映像の出荷停止、在庫回収 ………
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