米国在住で日本語ができず、取締役でもないジョンソン氏をいきなり抜擢。小柴会長の「院政」の理想形だ。
2019年7月号 BUSINESS
中堅化学メーカー、JSRの小柴満信社長(現会長、63)が、米国駐在の常務執行役員、エリック・ジョンソン氏(57)をいきなり代表取締役CEOに抜擢する仰天人事を敢行した。1957年創業のJSR社には、これまで外国人の取締役さえいなかった。加えて代表取締役社長兼COOに同期の川橋信夫取締役専務執行役員(62)を起用した。6月18日の株主総会で会長に退いた小柴氏は、CEOとCOO職を新設し、初の外国人の指揮下でグローバル経営を推し進めると宣言したが、自らの代表権は手放さない。「日本語ができない米国在住の外国人CEOに代わって取締役会議長を務め、文字通り院政を敷くつもりだろう」(JSR関係者)と冷めた見方がもっぱらだ。
JSRの前身は合成ゴムを国産化するための国策会社、日本合成ゴムである。後に民営化され、97年にJSRに社名を変更すると同時に業務内容を広げた。なかでも2001年に社長に就任し ………
オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。
FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。