フランス政府は「日産統合」を決して諦めない。どうあがいても、いずれルノーに呑み込まれる運命。
2019年7月号 BUSINESS
世界販売台数で自動車業界首位に躍り出る大型再編が頓挫した。イタリア・米国連合のフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)が6月6日、フランス自動車大手ルノーに対する経営統合提案を撤回した。ルノーの筆頭株主であるフランス政府の過剰介入に我慢ができなくなり、提案からわずか10日余りでちゃぶ台をひっくり返した。統合を歓迎していたフランス政府の失態は明白だ。マクロン政権の今後の対応次第でFCAが交渉に復帰するシナリオもゼロではないが、ルノーは当面、躍進の足場を失う。日産自動車との統合を焦り圧力を強める可能性があり、日産の「蟻地獄」状態は続く。
来日したルノーのジャンドミニク・スナール会長は5月29日、日産の西川広人社長兼最高経営責任者(CEO)、三菱自動車の益子修会長兼CEOとトップ会談した。議論の中心は直前の27日にFCAが発表したルノーへの統合申し入れ ………
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