危機を煽り全面禁輸の「万力」。トランプ強硬路線は米国に増産余力あればこそ。だが、奢れる者は久しからず。
2019年7月号 GLOBAL [ペルシャ湾緊迫]
2019年5月12日、ペルシャ湾ホルムズ海峡近くのフジャイラ沖で、サウジアラビアとノルウェーの石油タンカー3隻とUAE(アラブ首長国連邦)のバンカー船(給油船)1隻が、何者かによる攻撃を受け損傷した。船体の一部に大きな穴が開いたものの、死傷者や油漏れなど大きな被害はなかった。実は、この程度のタンカー攻撃事件であれば過去に何度も発生している。しかし今回はタイミングが問題だった。米国とイランとの間の緊張がこれまでになく高まっているからだ。事件のちょうど1週間前、対イラン強硬派のジョン・ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は、空母打撃群エイブラハム・リンカーンとB52爆撃機をペルシャ湾に派遣すると発表し、イランに対し強いプレッシャーをかけていた。しかも、「中東を航行する船舶に対してイランとその代理組織が攻撃を計画している明らかな証拠がある」と“米政府筋” ………
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