熟練工の技を覚え、人に代わってきつい仕事をする日本のロボット。中国は違う。ひたすら速さと正確さを重視する。
2019年8月号 BUSINESS [「製造強国」真の実力]
電気自動車(EV)の時代になると、クルマの構造がモジュール化されてパソコンのようになり、異業種からも簡単に参入できるとの指摘もあるが、これは大きな認識間違いである。EVの時代は、内燃機関車の「燃費」に相当する電池を長持ちさせるための「小型軽量化」や、効率的な大量生産のためのノウハウが一層重要になり、生産現場の専門性の高い技術力が競争力を左右するのだ。それが顕著に現れるのが部品産業だ。モーター大手、日本電産の子会社、日本電産トーソクは2019年4月から中国の浙江省平湖で、約300億円を投資して最新鋭の工場を稼働させた。生産部品は新型の「トラクションモーター」。バッテリーを除くEVの主要3部品、モーター、ギア、インバーター(回転数の制御装置)を一体化させたものだ。
小型軽量化を進めたことで容積は従来タイプより30%減らし、重量は同程度の出力を持つガソリンエ ………
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