ツネイシに「同族の闇」追い打ち

造船大手の今治造船とツネイシHD。「造船不況」に追い打ちをかける謎多き同族経営。

2019年9月号 BUSINESS

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日本の造船業界は数年おきに「○○年問題」と呼ぶ不況を嘆く習慣がある。この10年間だけでも、2010年、12年、14年、19年に工事量が底を突くと業界が懸念する声が新聞・雑誌で報じられた。三菱重工業など重機大手はリストラを繰り返した結果、造船事業を大幅に縮小。地方に本拠を置く専業メーカーは海外進出や工場再編などで何とか乗り切ってきたが、世界の造船市場では政府支援の厚い韓国・中国メーカーのダンピング攻勢が一段と強まり、生き残り策も限界に近づいている。

取締役の4分の1が「檜垣」

「大型船を中心に韓国・中国勢による安値攻勢に苦しんでいる。今は我慢の時期だ」7月26日、今治造船(愛媛県今治市)が開く恒例の東京での記者会見。檜垣幸人社長(57)は今期(20年3月期)の業績見通しを問われ、こう答えた。19年3月期の売上高は前の期に比べ9%増の3911億円。利益については「増益だった」とのみコメントし、そ ………

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