米財務省の特権的アドバイザーとして幅を利かすラリー・フィンクCEOは世界の株式市場の「裏の顔」だ。
2019年10月号 BUSINESS [恐るべき「裏権力」]
6月25日のLIXILグループの株主総会で異変があった。取締役の人選を巡って会社側と瀬戸欣哉前CEOとの間でプロキシーファイトが行われ、瀬戸氏ら株主側に対する賛成比率が予想よりだいぶ低い53.7%にとどまった。同株式を約5%保有していたブラックロックが会社側に賛成票を投じたことが響いた。そのため会社側が提案していた取締役候補8人のうち6人が当選することになった。しかも、そのうち7人は賛成比率が54%未満という薄氷の勝利だった。もし、ブラックロックが株主側に投票していれば会社側候補は1人しか当選できず、LIXILの取締役会を株主側が制圧していた。ブラックロックが日本企業に持つ影響力をまざまざと見せつけた瞬間だった。ブラックロックは、日本の大手上場企業の大半の大株主になっており、その保有時価総額は2017年6月末時点で26兆円。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)や日銀と ………
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