日立製作所の日立建機株売却を当て込んで、失地を回復しようと東奔西走。「同級生のよしみ」を持ち出す筋悪な青写真。
2019年10月号 BUSINESS [無理筋スキームの妄想]
日立製作所が上場子会社で発行済み株式の51.73%を保有する日立ハイテクノロジーズを完全子会社化する検討に入ったと、日経ビジネス電子版が報じたのは6月7日のことだった。日立ハイテクの2019年3月期の業績は売上高が7311億円、営業利益は667億円。それなりの規模を誇るが、計測機器や半導体製造装置を自社生産するかと思えば、電子部品や工業材料の仲介事業にも手を出している。あれやこれやとやっている会社をまとめて買うという企業は見つかりにくいので、日立は日立ハイテクをいったん完全子会社化し、低収益事業の売却を検討するという。
同日の東京株式市場で日立ハイテク株は急騰、値幅制限の上限で比例配分となった。日立がTOB(株式公開買い付け)をするとなれば、プレミアムを付けるだろうという思惑が働いたからだ。7日の終値は前日比14.7%高の5450円。その流れは週明けも続き、10日には ………
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