事業のため現地国籍を取得したら、「日本のために」と日本国籍を捨てるよう迫られた。
2019年10月号 LIFE
ノーベル物理学賞を受賞した中村修二氏が、日本政府から日本国籍を剥奪され、物議を醸したのは、いまから5年前のこと。政府は、受賞時に中村氏が米国籍を持っていることを明かしたことがきっかけで、中村氏が日米複数国籍者であることを知り、日本のパスポートと国籍を取り上げた。法務省の推計では、世界には、2018年6月時点で89万人の複数国籍の日本人がいるが、このうち国籍を奪われるのは、ほんの一握り。中村氏のように、外国籍を持っていることが、たまたま政府に知られた場合などに限られるという。政府が、中村氏から日本国籍を剥奪したのは、国籍法11条1項が「日本国民は、自己の志望によって外国の国籍を取得したときは、日本の国籍を失う」と定めているため。南部陽一郎氏(米国籍)、カズオ・イシグロ氏(英国籍)の2人のノーベル賞受賞者も、この規定によって、日本国籍を奪われた。政府は ………
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