埼玉知事選「野党連合勝利」は虚妄

ただただ上田前知事の人気で大劣勢をひっくり返した。野党は「勝ち馬」に乗っただけ。

2019年10月号 POLITICS

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埼玉県知事を4期16年務めた上田清司氏(71)が勇退し、新人5人が争った8月の同県知事選で、元国民民主党の参院議員だった大野元裕氏(55)が大逆転で勝利した。国民民主の支持率は1%程度。民主党、民進党で臨んだ過去2回の参院選もトップ当選は自民党だった。その大野氏が、自民・公明推薦でスポーツライターとして知名度も高い青島健太氏を破った。埼玉県の事情を知らない人は「野党連合の勝利」で片付けているが、その選挙は事実上、上田前知事が出たようなものだった。選挙戦終盤、県内の各戸に、上田氏の写真と並んで大野氏らしきシルエットが描かれたビラが、大量に配られた(写真)。そこには上田氏の16年の業績が記され、「こうした上田県政の改革をしっかりと継承」などと書かれているが、大野氏の名前や写真は見あたらない。

上田との「連動」に意味

これは「確認ビラ」とよばれ、公職選挙法が認める「証紙」を貼っ ………

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