きっかけの逃亡犯条例の改定は撤回されたが暴動は治まらない。北京はどう動く。
2019年10月号 GLOBAL
「行政長官直接選挙を勝ち取るまで徹底的に闘う! それが年を越そうとも」中国への移送を可能にするといわれる「逃亡犯条例」改定に端を発した香港の抗議デモ。その精神的指導者とみられる黎智英(ジミー・ライ)は力を込めて語った。黎は香港の自由が侵害されることに強く反対し、自らが創業した大手紙『アップルデイリー』を大本営に厳しく中国批判を展開している。6月9日、100万人が、翌週の16日には200万人が香港島の目抜き通りを埋め尽くした今回の抗議デモは、79日間にわたって香港の繁華街3カ所を占拠した2014年の雨傘運動を、期間、規模のいずれでも上回った。逃亡犯条例の改定撤回など当初は3大要求だったのが、雨傘運動最大の要求だった行政長官直接選挙などが途中で加わり、次の5大要求へと拡大した。
「行政長官直接選挙を北京が決して呑むことはない。頭に血が上ったとしか思えない。事 ………
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