山形の老舗百貨店「大沼」の明日なき漂流

もはやこれまでの惨状。「山形から百貨店の灯を消すな!」という地元政財界の声が空しく響く。

2019年11月号 BUSINESS

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百貨店の閉店が相次いでいる。消費税率引き上げを翌日に控えた9月30日、伊勢丹相模原店、伊勢丹府中店、山交百貨店(甲府市)が閉店した。地方・郊外百貨店の多くが人口減少や競合激化に苦しむ中、今年の百貨店の閉店数は全国で10店を超える見込みという。300年以上の業歴を誇り、山形県唯一の百貨店・大沼もその一つで、8月15日に米沢店を閉店した。大沼の苦境については、本誌19年4月号〈地方再生の悪夢「山形大沼」百貨店〉でいち早く報じ、18年4月に大沼の再建に乗り出していた事業再生支援会社「マイルストーン・ターンアラウンド・マネジメント」(MTM)による資金還流を含む「資金なき支援」の実態と、大沼のギリギリの資金状況を明らかにした。それから半年あまり。この間、大沼の経営権は3月22日にMTMから大沼の生え抜き幹部らが出資した会社に移った。早瀬恵三社長を含むMTM出身の取締役、監 ………

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