誰も引かぬ原発ババ抜き地獄

エネルギー政策の抜本的見直しは不可欠だが、政官財すべてがリスク回避を続けている。

2019年12月号 BUSINESS

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「任期途中で職を辞することは慚愧に堪えない」。10月25日、経済産業相の菅原一秀は首相の安倍晋三に辞表を提出した後、取り囲んだ記者団に伏し目がちにこう述べた。

東電・経産省リークに反発

官房長官・菅義偉の側近である菅原は電力改革派と目されていた。一時は「脱原発」で気炎を上げたこともある。関西電力前会長の八木誠、社長の岩根茂樹ら役員20人が、原子力発電所立地自治体である福井県高浜町元助役の森山栄治から2018年までに総額約3億2千万円の金品を受け取っていた問題が発覚すると、「徹底して膿を出し切る」と発言。第三者を交えた調査委員会を立ち上げ、原発関連以外の部局でも同様の事案がないかを調べるよう指示した。その菅原が、地元の有力支援者の通夜で公設秘書が2万円の香典を渡していた公職選挙法違反事案を、週刊文春がすっぱ抜いたことで辞任した。「菅原は過去にも高級メロンやカニを地元支援者に贈 ………

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