業界団体の不動産鑑定士協会と随意契約を結び、事務を丸投げする市町村も多い。公共事業の基本は一般競争入札だが。
2020年1月号 BUSINESS [問われる鑑定士のプロ意識]
国家資格として認められるプロフェッショナルのはずの不動産鑑定士の仕事は、業界団体が取り仕切らないと品質が維持できないようなレベルのものなのか。マイホームを持つ人に重い負担となる固定資産税の3年に1度の評価替えに向けた作業が始まっている。そこで、土地評価の実務を担う不動産鑑定士と市町村の契約を調べると、随意契約で高く発注するだけでなく、業界団体である鑑定士協会に事務を「丸投げ」している実態が見えてきた。筆者が取材拠点としている埼玉県の場合、63市町村のうち38市町村が県不動産鑑定士協会と随意契約(協会随契)し、15市町が随意契約(個別随契)で、指名競争入札は10市町しかなかった。公共事業の発注の基本は一般競争入札だが、埼玉県には一つもない。談合体質との批判が続く建設業界はかつて、指名競争入札だと指名されない業者が排除されて談合が成り立ちやすいと批判 ………
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