事件には会長・阿部や社長・仲井ら中枢が関与。追い出された前会長の和田は総会に向けてガバナンス専門家を揃えた。
2020年4月号 BUSINESS [前会長和田の逆襲]
積水ハウス会長の阿部俊則と社長の仲井嘉浩は「まずい」と思ったに違いない。3月5日に発表した中期経営計画を受けた翌日の東京株式市場で同社株が一時前日比7%安の1955円まで急落したことに。
満を持して発表した中計で、阿部らは計画最終年度の2023年1月期に連結純利益1470億円を目指すとした。しかし「過去最高だ」と胸を張った20年1月期の純利益1412億円に比べてわずか4%増という内容。このため「あまりにも保守的でがっかりした。おまけに主力である戸建て住宅事業の収益も悪化している」とアナリストからは酷評されている。失望売りが出ることはままあることだから、本来ならさして気に留める必要はないような気もする。しかし阿部と仲井にとって、今回ばかりは株価急落をどうしても避けたかったはず。なぜなら阿部が仕組んで2年前に追い出した前会長の和田勇らが、4月23日開催予定の株主総会 ………
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