IT業界に蔓延する循環取引の闇

「他社に巻き込まれた」「担当者が自白しない限り発見は無理」との言い訳は通用しない。ほんの数秒で見抜けるからだ。

2020年4月号 BUSINESS [会計スキャン]

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新型コロナウイルスの感染が拡大する日本社会の裏側で、IT業界の循環取引が薄気味悪く蔓延している。本年1月18日、東芝は、子会社の東芝ITサービスで、複数年にわたり200億円規模の循環取引が行われていた可能性があることを公表した。この際、東芝は、「東芝ITサービスの主体的な関与を認定する証拠はこれまで検出されていない」とし、「東芝ITサービスが他社に持ち掛けたものではなく、巻き込まれたもの」と弁明した。その後の報道によれば、この循環取引には、ネットワンシステムズ、日鉄ソリューションズ、富士電機ITソリューションなど7社が関与していたとされている。循環取引参加各社は、それぞれに第三者委員会等を設置して調査を行い、過年度決算訂正を行う予定としている。循環取引参加企業の対応を見て愕然とするのは、そのことごとくが、循環取引をIT業界の悪しき商慣習として捉え、特定の ………

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