まやかし幕引き「JDI劇場」

調査報告書は歴代経営陣の罪深さを列挙したが、責任は死んだ元経理幹部に押し付け。

2020年6月号 BUSINESS

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派手な演出、思わせぶりな伏線、二転三転するストーリー。結末はどうなるのかと固唾を呑んでいると、最後に全てを打ち遣った「夢オチ」で終わるチープなB級映画を見ているような気分になった。液晶パネル大手、ジャパンディスプレイ(JDI)の不正会計を巡る顛末のことだ。JDI元経理幹部による総額約5億7800万円の着服が明らかになったのは昨年11月のこと。「(当時の)経営陣から指示があった」と不正会計を仄めかす告発まで飛び出したが、その直後にこの元経理幹部が不審な死を遂げたことが判明した。さながら「火曜サスペンス劇場」のような展開に世間は騒然となった。だが……。『自分の力で会社の数字をよく見せることで会社やCFO(最高財務責任者)を守る、という歪んだ正義感を抱き、不適切会計処理が正当化されたものと考えられる』。4月13日に公表された不正会計に関する第三者委員会の調査報告書 ………

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