次世代の自動車の心臓部に欠かせない「機電一体技術」につながる会社を着々と買収。「人たらし」にも余念がない。
2020年8月号 BUSINESS [「買収の神様」永守の野望]
日本最大の自動車部品メーカー、デンソーが、大きな構造的な課題に苦しんでいる。事業部制を敷く同社において、個々の事業部には優れた技術はあるものの、それを一括して自動車メーカーに提案する能力が劣化している点だ。顧客動向を見て市場全体を俯瞰する力が欠如しているのだ。デンソーがライバル視してきた世界最大の自動車部品メーカー、独ボッシュは、「こんな部品を使えば、こんなクルマが造れます」といった具合に、自社の技術を統合して自動車会社に提案する能力が高い。他の独企業、コンチネンタルやZFもこうした提案型営業に強みがある。これが彼らが「メガサプライヤー」たる所以だ。ドイツ勢がこうした動きを見せるのは、自動車メーカーが自動運転などのいわゆる「CASE」領域への投資を増やす中、自社の開発工数を減らしながら次世代技術の開発を強化していくために、主要技術を部品メーカ ………
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