アップル「インテル斬り」の深謀

頭脳部分の内製化に踏み切る。周囲への影響の大きさに比べ、利点はまだよく見えないが。

2020年8月号 BUSINESS

  • はてなブックマークに追加

アップルは、6月22日オンラインイベントとして開催された世界開発者会議の基調講演において、自社で製造・販売を行うパソコン「マック」の中央演算装置(CPU)をインテル製から自社開発の「アップル・シリコン」へ変更すると発表した。パソコンメーカーにとって基本設計や設計思想(アーキテクチャー)が異なる新たなCPUに乗り換えることは、製品の存続にかかわる大きな賭けを意味する。ソフトウェアのプログラミング手法が大きな変更を迫られることになり、周辺のソフトウェアやハードウェアベンダーを巻き込んだエコシステムの大転換にも直結するからだ。最悪、周辺企業がソッポを向くことになればマックという存在が市場からフェードアウトしてしまう。そのようなリスクを冒してまで乗り換える理由はどこにあるのか。

過去の「頭脳替え」は成功

アップルは、過去2回、同様の賭けに打って出ている。1回目は、1994年のモトロー ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。