運営するオリックスと仏企業に余力なく、空港経営に黄信号。民営化が裏目に出た。
2020年10月号 BUSINESS
2020年に4千万人、30年に6千万人――。アベノミクスの成長戦略で唯一「効果あり」と評価されたインバウンド(訪日外国人客)拡大方針の恩恵を存分に受けてきた関西国際空港が、新型コロナウイルスの感染拡大で瀕死の状況にある。主力の国際旅客便の発着は4月以降に“蒸発”。7月になっても回復の兆しがない。5年前、44年間の空港運営権(大阪国際[伊丹]空港を含む)を2兆円強の大枚をはたいて入手したオリックスなどの企業連合は国の支援を当てにするが、民営化した空港への支援には大義名分がない。「現時点では政府に対する運営権料の支払いの猶予・減免などの要請や親会社のオリックスなどからの資本増強は必要ない」。関西エアポート(大阪府泉佐野市)が6月10日に開いた決算記者会見。社長の山谷佳之(63)は厳しさを増す経営の先行きについて問われた際、平静さを保つ発言に終始した。
この日発表 ………
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